vol.8 『民事信託は各専門家の支援が必要』
民事信託は、委託者の家族が受託者となる信託です。
家族が受託者となるため、信託設定時に受託者に所有権を移転することなどの委託者の心理的障壁が低くなります。高齢化がますます進むなか、高齢となる家族の資産管理と資産承継において、民事信託の活用が、今後増えていくものと考えています。
しかし現時点では、民事信託の取り組み事例はまだ少なく、民事信託の設定を希望する方が信託の設定を速やかに行えるような状況にもなっていません。また、信託会社や信託銀行が取り組む業者の信託と違って、当局の監督もないため、誰もまだ気づかない危ない民事信託が生まれていることもあるかもしれません。
危ない民事信託とならないためにも、民事信託の設定と信託期間中の受託者への支援は、実績のある専門家による適切なアドバイスと実務の支援が必要です。
10月21日(金)、「会計事務所博覧会2016」にて、民事信託に関するシンポジウムが行われます。弁護士、税理士、財産管理の専門家である信託銀行の方々がパネラーとなり、それぞれの立場から民事信託の支援についてディスカッションを行います。
そして筆者は、そのシンポジウムにおいてモデレーターとして会の進行役を務めます。
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石脇俊司(いしわき しゅんじ)
一般社団法人民事信託活用支援機構理事
証券アナリスト協会検定会員、CFP、宅地建物取引主任
お問い合わせ:shunji.ishiwaki@shintaku-shien.jp
外資系生命保険会社、日系証券会社、外資系金融機関、信託会社を経て、民事信託活用支援機構の立ち上げに参画。金融機関での経験を活かし、企業 オーナー等の資産承継対策の信託実務を取り組む。会計事務所と連携した企業オーナーや資産家への金融サービスの提供業務にも経験が豊富である。民事信託の健全な活用とビジネスを目的に税理士、弁護士、司法書士らを会員として発足した専門協議会組織「一般社団法人民事信託活用支援機」の中心的な存在としても活躍中。